台湾での家探しの難しさと最近の傾向
この記事のポイント
こんにちは、TJ-ブリです。
さて、今回は台湾の家探し、住居選び、住宅環境についてです。
- 台湾で住宅・家探し・住居選びをどのように進めるべきか
- 住宅探しにあたって気を付けるべきことは何か
- 特に実際のトラブル事例を踏まえて教えてほしい
私も台湾に来た際、本当に迷いましたし、まとまったサイトや情報がなかなか見つけられず苦労しました。
そして、結果的に家探しで失敗したこともありました・・・
みなさんにはそんな失敗を絶対にしてほしくない!
今回は、上記のようなお悩みに対処します。
最初に~ここだけはまずは押さえておきたい!~
最初に、台湾での家探しで最も押さえておきたい点です。
【ここから導き出せる点】
値段だけで決めると後で痛い目を見ることがある点です。
割安賃貸物件を見つけた! ← 要注意です!他に見るべきポイントがあります!
【ここから導き出せる点】
外見だけでなく、内見の時には実際の作り付けもよく見ましょう
おしゃれなマンションだなぁ~ よし中もキレイだしここに決めよう ← もうちょっとよく見てみましょう!
【ここから導き出せる点】
特に子育てを行う人は学校のことを考えておきましょう(我々日本人(外国人)の場合、公立学校は学区制のため住居と紐づきになります)。
とりあえず閑静でいい感じのところだから、子育てもしやすいだろう ← もうちょっと将来を考えてみる必要があります。
💡 総じて、なかなかコストを抑えて、優良な物件を探すことが難しくなってきている状況ですが、賃貸物件が多いのは確かです。この記事を参考にして、根気よく探せば必ず良い物件にあたるはずです。
【参考】年々増加する台湾の不動産価格
- 台北を中心に台湾の物件価格は高騰、賃貸物件の家賃も年々増加傾向にあります。
- 台北の中心街である信義エリアでは、マンション一室で約35億日本円の値段が付けられたものもあります(「陶朱隠園」(下記の外観です)という物件です、調べてみてください^^)。
- これに対して、政府は、不動産価格の安定を目指すべく、短期的な投機的売買に歯止めをかけるため、短期譲渡の所得の課税強化したりと対策を打っています(2021年7月~房地合一税2.0がスタート:台湾の税金の概要はこちらでまとめています)。しかし、未だ留まることを知りません。
- 2021年においても、台湾、特に台北、新竹、台中といった都市部の駅近いエリアには、新しいマンションの建設が続いています。
家探し・住居選び概要
まずは、物件の探し方です。
日本人の駐在員の方であれば、日系の仲介会社に依頼を頂くことが多いと思いますが、
台湾にも多くの不動産仲介会社があり、インターネットの情報も充実しています。
日本の仲介会社を利用
日本語ができるのでとても安心です。少し仲介料は割高になりますが、仲介会社さんは、賃貸借契約後も、大家さんとのコミュニケーションに入る大事な役割を果たします。
後述しますが、その後のトラブルに備えて、日本人の駐在員の方はこちらの日系仲介会社を利用することが間違いはないでしょう。
台湾の仲介会社を利用
「租屋」や「租房」が賃貸の意味になります。
台湾の仲介会社を利用する場合、基本的に中国語(英語ができるところもあります)でのコミュニケーションが必要となります。
近隣の仲介会社しか有していない物件を持っていたりするので、住みたい場所の近くの仲介会社に直接行くことがオススメです。
私は、住みたい場所の近くの仲介会社の担当者とLINEを交換して、条件を伝えた上で情報提供してもらって家探しをしました。少し難易度は高くなりますが、チャレンジしてみてください。
インターネットで検索して直接連絡
かなりの件数が、比較的タイムリーにアップされています。
実際に利用しなくとも、物件の情報や相場を知るだけでも活用できます。
物件には、必ず連絡先がありますので、こちらに連絡をして内見を依頼します。記載されている連絡先は、大家さん本人だったり、仲介会社だったりマチマチです。
その他
このほかにも、いくつか方法があります。
- 街を歩いていれば「租」と窓に貼り紙がなされている物件があるので、貼り紙に書いてある連絡先に連絡する。
- 知人に紹介してもらう
- インターネットの物件の連絡先が直接オーナーとなっており、そこに連絡したら、別の物件も紹介してくれた(台湾も投資が盛んで多くの不動産を有するオーナーがたくさんいます。)
これらの場合、直接オーナーと交渉し契約することが可能で、仲介費用がかからないというメリットが双方にありますが、中国語でのコミュニケーションを行うことが必要であったり、契約上の問題、居住後の問題への対処などのデメリットがありますので慎重に検討することが必要です。
台湾での物件選びのポイント
物件選びの優先順位ですが、まずは、場所が最も重要かなと思います。
自分の希望する場所を軸に、物件を探し始めてみましょう。
その上で見学することになりますが、プライオリティにあたっては以下が重要となります。
- 大家さんのお人柄
- 住宅建付け・作り
- 自身の譲れないところは何か
まずは、物件の場所
職場へのアクセス、生活環境、買い物、子育て、学校、公園など、その他には夜の飲み会の事情を考慮、色々と検討要素はあろうかと思います。
その上で、家賃や仲介費用などの予算面を考慮することになると思います。
物件の場所を最初の基準とする理由には、さらに、場所を基軸にした方が物件を探しやすい点、また、特に子育てを伴う場合は、将来を見据えておく必要がある点が挙げられます。
場所を基軸にした方が物件を探しやすい点については、その場所の地元の不動産屋のみしか知らない物件があるからです。これは日本でも同じと思いますが、台湾でも各地でコミュニティがあります。不動産屋もしかりで、地元の不動産屋により情報が集まることは言えます。
子育てを伴う場合は、特に子供の小学校以降の進路を見据えるべき点です。台湾は公立学校でも人気校がたくさんあり、日本人含む外国人は「どこに住んでいるか」で決まることになり、人気校であればあるほど相当程度長く住む必要があるためです。後半でカオルコより解説します。
本当に重要!!!大家さんはどういう人か?
物件を借りるにあたって、大家さんは非常に重要です。
最近は少し法律も変わっていますが、台湾では賃貸人、つまり大家が強いという傾向にあり、契約更新時に家賃の増額を要求されるケースは珍しくありませんでした。更新時に極端に家賃の増額を要求された場合に、やむなく退去するケースもあります。
また、台湾では、入居時に家具を付けてくれることが一般的で、その後のメンテナンスも大家さん次第では、対応が非常に良かったり、気前が良かったりして、ストレスなく維持してもらいながら住み続けることができます。
反対に大家さんの感じがよくない場合、住まいに不具合があってもなかなか対処してくれない、メンテナンスの費用負担でもめる(契約書に明記されていればそれに従うことになりますが、電球や付帯家具の付属品など、消耗品関連について具体的に記載されていないケースもあり、もめることがあります)などの問題が発生することがあります。
次の記載にもありますが、私の知人には、雨漏りや配管の水漏れの問題があったにもかかわらず、なかなか大家さんが対処してくれなかった、また自己負担となってしまったというケースもあります。
え!?ひどい…建付けの悪さによる問題の発生
台湾に移住して痛感するのは、日本の不動産の内装のレベルの高さです。品質、快適さ、デザイン、いずれにおいても日本の不動産はすごいと改めて感じました。台湾では、デザインはオシャレだけど、中身は…、この点はまず期待し過ぎないこと、日本のレベルを軸にしない方が良いことが言えます。
具体的には、たとえ新しい物件であっても、特に水回りについて、水はけが悪い、配管や蛇口に問題があり水漏れがあるといった問題はよく聞きます。
また、最上階の物件は注意が必要で、雨漏りが生じることがあったり、日光が当たりすぎ夏場はより暑くなる傾向があったり、屋上に植物があったりすると虫やゴキブリが増えることもあります。
賃貸中に対処できない課題もありますので事前に考慮が必要です。
自分の譲れない点を考えよう【私の場合はお風呂・浴槽!】
個人的に物件選びにおいて、この「浴槽」はかかせなかったので記載しています。
日本人なら、やっぱりお風呂に入りたいというのはあると思います。
特に、私は、子供がいますので毎日にお風呂に入れていますし、自身も睡眠効果を高めるため毎日お風呂に入っていることもあって、物件探しでは、浴槽がある物件がマストでした。
が、シャワーのみの物件も多く、また、日本のバスルームとは異なり、浴槽があってもシャワールームと分かれている場合や浴槽だけでそこにシャワーがついているもの、といったものが大半でした。浴槽とシャワールームが分かれていると、移動時濡れてしまうし、湯船につかったあと、一旦お湯を抜いてシャワーをかけないと気がすまないタイプなので効率的にどうかとも思ってしまいます。
これらを加味して、日本のバスルームタイプがベストなのですが、残念ながら、こういった物件は非常に少ないです。
そのため、バスルームがあるか、という条件だけでかなり絞り込まれるのは事実ですので、お風呂が好きな方は考慮が必要になります。
私の場合は、「お風呂・浴槽」ですが、大家・建付けはとても大事ですが、自分の譲れないところも考えてみましょう。
私の中では欠かせない「健康寿命を維持」!そのためにもやっぱり入浴は大事です!
- 私は、台湾移住してからも、より長く元気で生きるために、つまり健康寿命をより長くと考え、色々実践しています。
- 台湾でも、日本とちょっと違うやり方(!?)で、実践しています。興味のある方はこちら「【台湾に住んでさらに健康に!】健康寿命を伸ばす!台湾での実践法を一挙公開!」もご参考ください。
その他の物件選びの考慮事項
以下は台湾に限った話でもないと思いますが、
- シェアハウスの場合の同居人とのトラブル
- 隣人との騒音トラブル
- 周囲の環境(空気が悪い・高速道路に隣接など)
- マンションの管理人の体制
- エレベーターの有無
- 宅配物の管理
- ゴミ捨て場
などなど、これらも検討は必要となろうかと思います。
台湾の住居にて実際にあったトラブル
家賃交渉の問題
冒頭で、値段で飛びついてはいけない!と言ったのは、ここが理由です。
家賃交渉は、何しろ大家次第となります。
特に台北は住宅価格が高騰していることもあって、大家からの強気な家賃の増額要求は多々あります。
最初に安い物件だからといって入ったものの、契約更新時に思わぬ増額を要求され、退去を余儀なくされてしまった方もいます。
最近は、借主の権利がより保護される法改正があったようですが、いずれにしても住宅価格が高騰している以上は避けられない事実。
繰り返しになりますが、契約前に大家さんとしっかり話をし、人柄についてはよく見るようにしましょう。
なお、家賃交渉のSTEPについては、こちら【台湾の住居費用を1元でも抑えたい!】3STEP!家賃交渉は最後!が参考になります。いずれにしても大家さん!そして、その後どう家賃交渉を進めるかまとめています。
家具をつけてくれたのはありがたいけど・・・
住居を借りる際、大家さんが家具を付けてくれることが一般的です。ベッド、ソファー、テーブル、椅子、テレビ、そのほか、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、ポット、電子レンジ、掃除機などなど、生活家電までたくさん、というケースも珍しくはありません。
しかし、どのような機種が良いか選べないケースも多く、私のような効果や効率を重視する生活アイテムマニアからすると、正直、これならいらないな、もしくは後で自分で最新のものに買い換えたいなということもあります。
でもですね、これが台湾の賃貸時の習慣でもあり、賃貸時は大家さんが好意で用意してくれることもあって、後で処分してくれとはなかなか言いづらいのですよね。
私は、掃除機についてはクローゼットで冬眠状態(我が家はダイソンとルンバ4台(掃除機ロボ・水拭きロボ各2台ずつ)所有です)、洗濯機については賃貸後数年してから壊れたことにして、修理ではなく最新型を自費購入、旧洗濯機は修理すれば治る体なので、ベランダで冬眠状態になっています。
そのほか、本当であれば、睡眠の質をこだわる私としてはベッドも自分で購入したかったし、ソファでくつろぐことも少ないのでいらなかった、というのが本音ですが、いまだ改革ができていません。
したがって、皆様の中で家具や家電にこだわりがある場合、大家さんがこれらを付けてくれるなら自ら選べないか交渉すること、または、何もつけずに家賃を下げること、これらによって交渉することを賃貸契約前に事前に実施することをオススメします。
さらに!入居前に部屋や家具の写真やムービーを撮っておこう!
退去時の問題。そう、それは原状回復の問題!
部屋を汚してしまった、傷をつけてしまった、備え付けの家具や家電を壊してしまった、廃棄してしまった。
台湾でも、借りたお部屋を返す時は入居時に戻すことが必要。
あれ、でも、これ、、、実は入居時に傷ついていたのだけど。入居時にも汚れていたのだけど。言葉で交渉しても通用しないことが多々あります。
これに備えて、入居前に部屋、及び備え付けの家具、家電も含めて、写真やムービーを撮っておくことがおすすめです。
できれば、大家や仲介会社立ち合い時に撮っておきましょう。
これで、後で証拠をもって主張することができます!
台湾で子育てする上での住居選び
日本人学校を検討されている場合
台北にお住いを予定で日本人学校をご検討されている方であれば、天母地区や日本人学校のバスが利用できるエリアで検討されることが良いと思います。
➡ 日本人学校のホームページはコチラ
台湾には、台中と高雄にも日本人学校があります。
台湾現地校やバイリンガル教育・トリリンガル教育を考えている場合
もし、私の家庭のように、台湾でバイリンガル教育に挑戦したいという方は、台湾の現地小学校に入学を検討されることと思いますが、この際も場所選びは重要です。
台湾も日本と同様、公立学校については学区制が取られていて、基本的には戸籍や居住するエリアを基準に学校が決まります。
外国人については台湾の戸籍を取得することができませんので、基本的には居住するエリアで学校が決まってしまいます。
つまり、基本的には引っ越しする以外に選択の余地がないのです。
特に人気の「明星(Míngxīng)」学校を希望される方については、学区内に何年住んでいるか重要なので、住居選びにあたって注意が必要です。
バイリンガル教育・トリリンガル教育目的での移住を検討される方は、はじめから住居選びは重要といえます。
台湾のバイリンガル教育や台湾現地校については、以下の記事が参考になると思います。
🏫 台湾の小学校選びのポイント:【台湾台北 子供の学校どうする?】目的別に小学校選びの不安を解消
🏫 台湾の幼稚園選びのポイント:【台湾台北 子供の幼稚園どうする?】安心して我が子を預けたい【今後を踏まえる】
🏫 その他、台湾でのバイリンガル教育にあたっては、以下の記事が参考になります。
台湾家探し・住居選びのまとめ
- 台湾の住宅は高騰しており、相対的にかなり安い物件には何らかの理由があることが多いので、把握しておく。
- 住宅探しのポイントは、特に大家さんの人柄と相性、そして住宅の建付け!そして、自分の譲れない点は何か(私の場合はバスタブ)の順でプライオリティを付けて決めていこう。
- 賃貸借契約後もトラブルはある。事前にトラブル事例は知っておこう。
- 子供がいる家庭、または子を持つ予定の場合、住む場所は重要。学校までの通学手段、バイリンガル教育で現地人気公立校を考える場合には特に注意したい。
- 住宅探しの方法にはいくつかあるが、まずは、591房屋交易網で広く探して、日本人の方は日系の不動産仲介会社がオススメ。中国語がある程度できれば、地元の不動産屋に隠れ物件があったりする。
値段だけで判断すると痛い目を見ることもあるし、諸種考慮すべき要件のご参考になったら幸いです。
みなさんの台湾における住居選びが成功することを願っています!
なお、住宅以外にも、台湾に住んでいて【ここどうにかならない!?台湾】として台湾移住で不便なこと、嫌なことを全部ぶっちゃけて記載しています。台湾移住を検討されている方は、こちらは把握しておくと良いでしょう。
最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。
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