はじめに ~台湾の言語環境について~
こんにちは、カオルコです。
今回は、台湾での子育てにあたって、子供への言語教育についてお話したいと思います。
まず、台湾の公用語として最も利用される言語は、中国語で、その中でも最も利用されている北京語/マンダリンとなります。
但し、台湾の方が利用される中国語と、中国大陸の方が利用される中国語は少し異なります。
詳しくはこちらが参考になります。
そもそも中国大陸内でも方言や違いがありますし、台湾人と中国人のコミニケーションを見てみますと特に支障はないです。
そのため、基本的には台湾人が利用する中国語は世界で通じる中国語と言えます。
純粋な日本人が台湾で中国語を習得するにあたって
その一方で、私の子供達のように純粋な日本人の児童の言語教育にあたっては、以下のような疑問があると思います。
- 台湾で中国語をマスターできるのか
- 中国語の習得にはどの程度時間がかかるのか
- 台湾人の子供達とコミュニケーションはどうか
- 日本語が退化してしまうのではないか
など、いろいろと挙げられます。
結果的には、気づいてみれば、台湾に来てから3年くらい経った時には、子供たちは共に流暢な中国語を話し、小学校や幼稚園の台湾人の先生達からも標準と言われるレベルに達していました。
もちろん、日本語も流暢に話すことができます。
ただ、父母共に純粋な日本人である子供たちは、最初から中国語を話せたわけではありません。
台湾の幼稚園に通う中で、徐々に身についていきました。
子供の吸収力というのは本当にすごいと思います。
台湾でのバイリンガル教育
バイリンガル教育のファーストステップ
台湾に来てすぐ、子供たちの幼稚園探しをしました。
色々と見学やお話を聞きに行きましたが、最終的には、台湾の幼稚園で日本語ができる台湾人の先生がいて、かつ日本語の教育もあるところに通いました。
最初は非常に不安もありましたが、日本語ができる先生がいたので安心でした。
年齢と共に中国語のコミュニケーションがみるみる上達しているのがわかりました。
子供の脳はスポンジといったもので、上の子が4歳、5歳になるに連れて、台湾人の同級生の子と難なく話をしている光景を目にします。
並行して、力を入れなければならないのは、日本語の教育です。
そもそもバイリンガル教育を下手にしてしまうと、きつ音や言語障害が生じる可能性があります。
バイリンガル・トリリンガル教育に関する書籍をたくさん読んできましたが、バイリンガル教育において大切なことの一つは、いかに母国語を衰えさせないか、論理的思考が母国語でできるか、その上で、第二言語を学ぶ、ということにつきます。
バイリンガル・トリリンガル教育に関して色々と読んでまいりましたが、オススメの書籍は、以下の中島和子さんの「完全改訂版 バイリンガル教育の方法」です。
上記の通り、バイリンガル教育・トリリンガル教育は子供の脳の成長、知能、論理的思考にとってリスクにもなり得ます。もし、バイリンガル教育・トリリンガル教育挑むなら、絶対に読んでおきたい一冊です。
バイリンガル教育のメリット
バイリンガル教育によって、母国語のほかに第二言語が習得され、コミュニケーションの幅が広がり、人生がより豊かになることにつながるということは言うまでもありませんが、
2018年のイギリスの研究機関から発表された調査結果などによると、バイリンガル教育を経た児童の知能の発展は、そうでない場合と比べて高いという結果が出ています。
バイリンガル教育の実践
私は早くから台湾に住み続けること決心しましたので、子供も現地の幼稚園に入れましたし、また小学校も日本人小学校ではなく、現地台湾の小学校に通わせることにしました。
このような環境になりますと、子供はますます中国語が当たり前に使えるようになり、ますます中国語が流暢になりました。
台湾の幼稚園について
小さい子供を通わせる幼稚園。大切な我が子、とても心配になりますよね。
台湾の幼稚園の特徴、首都台北における日本人目線での幼稚園事情についてはこちらの記事「【台湾台北 子供の幼稚園どうする?】安心して我が子を預けたい【今後を踏まえる】」をご参考ください。子供の安全、そしてしっかり楽しみ教育させたい、私も同じ気持ちでした。幼稚園を卒園してからも踏まえて記載しています。
さて、中国語が流暢となるその一方で、重要なのは日本語教育です。
父母共に日本人と言えど、日中の学校でのコミュニケーションは中国語になりますので、家庭では日本語教育にも重きを置く必要があります。
家庭での会話はもちろん日本語ですし、そして、読み書きもできるようにするためには父母自ら教える必要があります。
私は、日本に帰国した際に公文式の日本語の教材を購入したり、また、台湾でも日本語の教材を購入することができます。
台湾にいながらも、Amazon(日本)にて、海外発送対応にて多くの日本語の絵本、日本語にかかる教材を購入しています。
バイリンガル教育・トリリンガル教育における日本語教育の重要性、我が家の日本語教育の実践については、こちらの記事が参考となるはずです。
我が家のバイリンガル教育まとめ
子供に対する言語教育をまとめます。
- 家の中では日本語でコミュニケーション
- 毎日、日本語の絵本などの読み聞かせ
- テレビや動画の視聴は日本語のものが基本
- 週末及び平日の下校後、日本語の読み書きの勉強を実施(教材は上記の通り台湾の日本書籍店やAmazon(日本)などを介して購入)
- 中国語については、幼稚園と小学校がベース
- 週に数回、台湾人の家庭教師を利用
家庭教師・保母さんについてはまた別の記事でお話ししたいと思います。 - 以前は公文などの日本語の塾にも通学(小学校に行ってからは通っていません)
このような感じです。
具体的なバイリンガル教育の実践については、また別の記事でご紹介したいと思います。
バイリンガル教育は決して楽なものではありません。
日本人としては最低限日本語を学ぶべきと思いますし、台湾に住むと決めた以上、また、今後、中国の経済成長と共に中国語でのコミュニケーションが重要になってくるという点では、親としては与えられた環境に感謝をして、子供にとって満足に行く教育を提供できればと思うばかりです。
今後の外国語教育の重要性
AI(人工知能)やITが発展するにあたって、翻訳ツールも便利になっていき、外国語の学習は不要という方もいますね。
ただ、私は人間が存続する以上、ロボットやAIにとってかわらないのは血の通ったコミュニケーション、人間としての言葉の重みと思っています。
台湾でも日本でも、英語教育に力を入れている方は多いですね。
でも、日本の中国語教育はこれからと思います。
日本人の方がこれからどんどん台湾で中国語を勉強してくれたらうれしいです。
私も同じ気持ちです。
人間として重要なコミュニケーション。
子供たちが、自らの言葉として、日本語、中国語、そして英語を話すことで、世界中の人々とコミュニケーションを図ることができるようになるのを応援したいです。
まとめ
- 台湾で利用される中国語は世界でも通じる
- バイリンガル教育は簡単ではないが、台湾の言語教育環境はかなり整っていると言える
- 台湾の現地校に入ると、逆に日本語をどう教えればという課題に直面する
- 台湾では英語教育も充実していることから、日本人が台湾に住むことでトリリンガル環境となりうる(特に台湾現地私立校)
- AIや人工知能が発展したとしても、血の通ったコミュニケーションは人間が存続する限りは大切
私もまだまだ悩みが多く、試行錯誤で対応しているのが正直なところです。
他の国の方でも、なにかアドバイスがありましたらコメントを頂けると嬉しいです。
バイリンガル教育、トリリンガル教育を実践している方、一緒に頑張りましょう!
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