日本も台湾も直面する超少子高齢化社会…
はじめに
TJ-ブリです。
今回は、台湾でも日本でも直面している深刻な社会問題、そう「少子高齢化」について考えたいと思います。
- 少子高齢化社会ってそもそもどんな状況か?
- 少子高齢化社会になると何か悪いことあるのか?
- 少子高齢化に追い打ちをかける台湾の危険な問題
- その一方で止まらない台湾の経済成長
- 台湾政府の対応と台湾にとっては特別な「日本」という存在
- 我々日本人には大きな追い風⁉
- 私の伝えたいメッセージ、それは、海外から日本を支えていきたい
今回はこのような内容をお話しします。
長く健康で豊かな人生を送りたい!その一方で、台湾、日本を含む一部の国では少子高齢化が社会問題となっています。今回は台湾、日本の統計データを基に、台湾の観点から我々日本人の生きる道、ヒントを探っていきたいと思います。
少子高齢化ってそもそもどんな状況?
少子高齢化とは、生まれてくる赤ちゃんが減り、子供や若者の数が高齢者に比して減少していき、結果的に相対的に高齢者の割合が高まっている状態を指します。
一般的に、65歳以上の人口(老年人口)の割合が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と言われます。
2019年の世界銀行の老年人口割合の統計によると、1位は突出して日本(28%)、次いでイタリア(23%)、ポルトガル(22%)、フィンランド(22%)、ギリシャ(21%)、ドイツ(21%)となっています。
台湾については、急激に高齢化が進んでいる状況です。予測によると、台湾の老年人口割合は、2030年には23%、2050年には34.5%に上昇すると言われています。ちなみに韓国も同じ状況です。
根本的な原因の一つに生まれてくる赤ちゃんの統計、出生率があります。
出生率とは1人の女性が一生の間に産む子どもの数であり、この数値が「2.1」を下回ると人口は減少に向かうと言われています。
2021年の予測(出典:THE WORLD FACTBOOK)によると、調査対象227か国のうち、最下位に台湾(1.07)、次いで韓国(1.09)、シンガポール(1.15)、香港(1.22)、そしてワースト218位に日本(1.38)となっています。
これに加えて、医療技術の向上、豊富な食料供給等、人類の寿命は長くなっており、出生率が低い国は、少子高齢化が加速する方向にあるわけです。
そして、日本、台湾は特に少子高齢化が著しい状況になっています。
少子高齢化になると何が問題?
単純に人口が多ければ、労働者も多く、生産量が高まり、他方で消費者も多く市場は大きくなります。つまり経済的に豊かになる要因の一つに人口があります。
他方で、労働市場に重要な若手の割合が減る少子高齢化の状況では、労働者が減り・生産量が減る一方で、高齢者向けの公的社会保障、医療制度、その維持に多額のお金がかかるという社会課題に直面します。
労働者は、経済を活性化させる生産者であり、消費者であり、そして納税者です。そのため、労働者の減少は、国内の市場の縮小、経済悪化の要因になるわけです。
簡単に言います。
若者が一生懸命働いた稼いだお金。
老年人口の割合が高まれば、高齢者に対する社会保障の拡充が必要となり、稼いだお金から差し引かれる税金・社会保障費も大きくなります。
稼いだお金のうち、自分で使えるお金が減少するという話です。
日本の税金・社会保障負担が増え続けている主な要因は、少子高齢化社会があるわけです。
台湾の状況を深堀りしてみよう
台湾の概況とこれを加速させる深刻な問題・・・
繰り返しになりますが、台湾は出生率が最下位(1.07)、目標とすべき2.1を大きく下回っており、急激に高齢化が進んでいます。
目下予測では、台湾の老年人口割合は、2030年には23%、2050年には34.5%に上昇すると見られています。
これに加えて、台湾が抱える社会問題、それは若者の勤労意欲の低下です。
台湾でも、お隣中国でも話題となっているキーワード「 躺平族( tang píng zú)」をご存知でしょうか。躺平主義(タンピンしゅぎ)とも言われますが、要は仕事をせずにゴロゴロ寝て過ごす若者が多い状況を示しています。
いくつか要因がありますが、一つに賃金水準が依然として低いままであることがあります。
台湾の平均給与・賃金(2020年)は、54,160元(およそ25万円)であり、不動産の高騰、物価の高騰に比して、低い水準であると言えます。
他方で、高齢化社会が進むよう、会社に勤めても、まだ中高年の上の役職が詰まっており、未来がない…このような事情から、勤労意欲が低下した若者が増えています。
先に述べたよう、労働者は、生産者であり、消費者であり、納税者です。勤労しない若者が増えれば、経済状況の悪化、高齢化社会という課題解決がより困難となる状況を促進してしまうわけです。
人口、人口割合でみますと、台湾の状況は良くないことがわかります。
ところが!実際の台湾の経済状況はどうか?
しかしながら、世界で広がるデジタル化、5G、スマート化、そして、コロナウィルスの蔓延によって、ITへの依存度は増しました。
台湾の主要産業は、これらを支える半導体・電子部品です。そのため、台湾経済はここ数年成長を続けており、2021年についてはGDP6%以上の大きな成長が見込まれています。
この結果、この需要を受ける産業については、所得は拡大傾向となっています。コロナの影響を受けてしまった産業(例えば観光など)と比較すると差が拡大しており、所得格差は開く傾向と言えます。
台湾のおカネ事情・給与賃金の実態については、こちら「【台湾おカネ事情!これが給与実態!】現地採用の狙い目!【日本人の年収は?】 」、上場企業の平均給与は「【日本台湾給料ランキング】日本上場企業VS台湾上場企業の給与【2022年最新】」で統計データと共にまとまっています。儲かっている業種、そうでない業種が顕著です。
え?半導体って?
世界経済・投資において超重要 知らないとまずい「半導体産業」についてはこちらの記事がわかりやすいです。
今の経済を把握するには絶対に知っておきたい話となります。
経済成長を続ける台湾、労働人口が減少する台湾
台湾が抱える問題は、世界的な半導体の需要による経済成長の加速がある一方で、高齢化社会と躺平主義(ダンピンしゅぎ)の流行による労働者の減少というわけです。
これに対して、政府も対策を打っています。
その一つは、外国人雇用の拡大です。特に優秀な外国人の誘致には力を入れています。
自国の労働者で対応することができない労働需要を、外国の人材にてまかなう措置です。
例えば、優秀な外国人には、税金の優遇措置や永住権の付与を容易にすることで、台湾国内に誘致をさせ、自国経済の発展にも寄与させたいということです。
優秀な外国人の優遇については、こちらの記事「1,200万円~高所得者は台湾に超移住しやすい⁉ 外国特定専業人材・就業ゴールドカード【税金軽減】」でまとめています。
驚きの税金の優遇がありますので、どんどん高所得の優秀な外国人が台湾に来ている状況にも合点がいきます。
ん?これって、我々日本人にとってもチャンス?
台湾経済の成長、労働人口の減少に対す外国人雇用の促進、この状況は我々日本人にとっても超有利な状況になります。
台湾にとっては、日本人も外国人です。つまり、先ほどの優秀な外国人に対する優遇措置の対象となります。
そのため、台湾、および台湾における企業は、当然、優秀な日本人の雇用も行いたいと考えているわけです。
この状況は、日本人が台湾で好条件の職を見つけるにあたってとても追い風となる状況です。
さらにさらに、日本人ならではのメリット
さらに、台湾にとって「日本」は別格扱いです。
なぜか?
それは、台湾は親日という言葉で片づけられないほど、日本のことが大好きだからです。どれほど好きかはこの記事「【台湾にある日本のもの】本当に多い/海外移住の価値観が変わる!」を参考にしてもらうと良いと思いますが、さらに、ビジネス・経済の領域でも、台湾は日本にとても興味があります。
台湾を代表する企業、TSMCが日本政府の補助も受け熊本県に新たに半導体製造工場を設立することが決まりました。過去には、ホンハイがSHARPを買収、UMCが富士通の半導体工場を買収、その他、台湾企業の日本進出は止まりません。
台湾国内でも日本に関するビジネスは盛んであり、台湾と日本はビジネス・経済でも絶好の関係であり、この結果、台湾企業が日本人に興味を示すことは必然なわけです。
台湾における採用状況や、特に日本人が台湾現地採用で勝つための秘訣はこちらでまとめています。
繰り返しになりますが、この状況は我々日本人にとって、大きなチャンスと考えます。優秀な日本人であればあるほど、台湾での所得は日本から見ても高いものとなっています。
ただ、やはりスキルや経験なくして・・・は難しいのは、この好環境の台湾でも同じです。
こちらの記事も参考にして、チャンスを探るのことはアリと思います。
この記事で伝えたいメッセージ
やっぱり日本はすばらしい。我々日本人、がんばっていこう!
今回は、世界の少子高齢化の状況から、深刻化している日本と台湾、そして台湾の状況についてお話をしました。
そして、台湾の成長する経済の一方で、台湾にとっての日本及び日本人の優位性から、日本人にとっては、台湾で働く、台湾と働くことは大きなチャンスがあることも言及しました。
海外移住した私から客観的に見ますと、日本人として、日本のこと、日本の将来を心配に思うことがあります。少子高齢化が加速する中、税金や社会保障費の負担が増加することはやむを得ません。海外移住を検討する日本人は統計的にも増えています(厚生省データ)。日本の人口は減り、日本の経済成長は停滞から衰退をたどっていく可能性が高いです。
私が、この記事で伝えたかったのは、海外移住を斡旋したいということではありません。
日本には、世界に誇ることができる技術、能力、ホスピタリティ、個性、たくさんの素晴らしいものがあります。
私が伝えたいことは、日本人が直接海外に出て日本の良さを伝え、そして、外から日本に貢献する形があっても良いのでは思っています。海外に日本の良さが伝われば、それが日本に返ってくるでしょう。
海外移住の検討はなかなか勇気のいる決断と思います。
しかし、しっかり対策を練ることで、日本人の持つ素晴らしさがその海外で光ることは間違いないでしょう。
そして、台湾であれば、日本人にとってより活躍のしやすい環境があると考えられます。
台湾も同じく少子高齢化に悩んでいますが、台湾にとっての外国人である我々が寄与できることもあります。そして、台湾の経済、日本の経済にとって寄与するチャンスが我々日本人にはあります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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