給料「手取り」 日本と台湾を徹底比較 ~はじめに~
気になる手取り…税金・社会保障負担の差、日台の制度と共に把握しよう
2023年…
日本のサラリーマンの手取りは
額面から半分になる…
最近、こんな話がネットに流れ、噂になりました。
この話は、計算してみると少し言い過ぎな内容もあるかもしれませんが、しかし、日本の社会保障負担が増税、保険料の拡大で給料から差し引かれる部分が増えているのは確かです。
では、日本人が海外移住して働いたらどうなのか?
今回は日本と台湾を挙げてお話します。
こんにちは、TJ-ブリです。
今回のテーマは、ずばり2022年版 日本と台湾の給料手取りの徹底比較です。
まず、基本的ではありますが、会社に勤めたら、その会社から給料額面が決められ、労働の対価としてそれをもらうことになります。
しかし、日本でも台湾でも、その給料の額面通りの金額をもらうことはできません。
主に社会保険の負担、税金の負担によって、実際に受け取れる金額、つまり今回のテーマである「手取り」は額面よりも少なくなります。
当たり前ですが、年収の額面よりも実際に手に入るお金が重要です。
しかし、自分の手取りについて、ちゃんと考えてみたことがあるでしょうか?
他の国と比べるとどうなのでしょうか。
今回は、同じ給与年収の額面(「年収1千万円」)で、日本と台湾でどのくらい手取りが違うのか?
逆に言えば差し引かれる社会保険料や税金にどの程度差があるのか?
具体的な数字と共に解説します。
超高齢化社会…そのため、社会保障への対応に伴う保険料や税金の負担の増加が必須の日本。
お隣の国、台湾はどうか?徹底比較をしてその差を見ていきたいと思います。
手取り比較にあたっての前提
今回、日本と台湾という異なる国の給料手取りを計算し比較するにあたって、いくつか前提を設けています。基本的に計算をよりシンプルかつわかりやすくするためですのでご容赦ください。
🔢 手取り計算の前提(私の昔の職業柄、少々細かいですが計算変わりますので、一応…)
- 為替の換算は1台湾元=4円にて換算(2022年1月現在4.2円ですが、計算を簡単にするため)
- 年収:1千万円を前提
- 但し、月収にした場合の端数を取るため、年収:10,080,000円(2,520,000台湾元)
⇒月収840,000円(210,000元)とし、ボーナスを考慮しない。 - 本人は会社勤めをし、扶養親族3人(配偶者、子供2人)を前提とする。また、配偶者に収入はなし。
- 日本の計算では首都東京都で中央区の居住者とする。
- 台湾の計算では台湾居住者かつ年間300日以上台湾に居住していることを前提にし、かつ台湾国外からの所得はないものとする。
- 本人の年齢は35歳(40歳未満)とする。
- 手取りを考える場合、月ベースにて税金の源泉徴収と保険料を考えるものと、年ベースで実際の税金と保険料をベースに考えるものがあります。源泉徴収はあくまで税金の前払いに過ぎず、最終的には年で税金が確定しますので、税金は年ベースで考慮します。
- 医療費控除、保険控除、個人積み立ての退職金等、計算をシンプルにするため他の条件は加味しないものとします。ちなみに、台湾にも医療費控除や保険料の控除といった各種控除がありますので、比較上考慮をしなくとも大きな差はないものと思います。
- 今回は、日本と台湾のそれぞれの給料手取りをざっくり把握する趣旨です。そのため、詳細な条件を設定すれば計算上の差が生じることをあらかじめご了承ください。
給与手取り 日本VS台湾 の結果…
さて、まずは結論から入りましょう!
同じ1千万円の給与額面を前提とした場合の手取り比較の結果は………
”圧倒的”に台湾の方が手取りが多い結果となりました。
しかも、その差……、なんと年間「100万円」を超えました。
うすうすお気づきだったかもしれません。
日本では給与から差し引かれる金額は少なくありません。
以下、具体的項目と数字と共に解説します。
100万円!!!!!!!
住む国が違うだけで、何もしなくともこれだけの差が生じるなんて…
収入の手取り、裏を返せばどれだけ国に支払う必要があるか。
これはその国の状況や歴史等を踏まえ、制度や政策によって異なるものです。
今回は、日本と台湾で比較していますが、二つの国を比べるだけでわかることも多いです。
単に金額だけでなく、制度の内容、将来についてもしっかり見る必要があります。
それでは、心してお読みください。
【日本で給与1千万円】手取り計算
概要
給与額面10,080,000円の場合、手取り額の計算は以下の通りとなります。
日本/各項目 | 金額(円) | 比率 |
【額面】年収 | 10,080,000 | 100.0% |
-)健康保険料 | -490,032 | 4.9% |
-)労働保険料 | -30,240 | 0.3% |
-)厚生年金 | -713,700 | 7.1% |
+)児童手当 | +120,000 | 1.2% |
-)所得税 | -873,600 | 8.7% |
-)住民税 | -628,000 | 6.2% |
給与から差し引かれる金額 | -2,615,572 | 25.9% |
【手取り】年収 | 7,464,428 | 74.1% |
年収に対して、およそ26%が差し引かれ、最終的に手元に残る手取り年収は額面の74%の746万円程度となっています。
以下、個々の項目について解説します。
日本の社会保険料(健康保険及び雇用保険)
日本の社会保険料は、医療費等が保障される健康保険、及び失業手当等が含まれる雇用保険から構成されます。
それぞれの保険料は、国の定めた料率にて、標準月額報酬から算定されます。
今回は、こちらのシミュレーション(ファンジョブ)を利用させていただき、日本の関連当局が公開する料率表と大きな差がないことを確認しまして、手取りを計算しました。
健康保険
日本の健康保険料は、40歳までの方は標準月額報酬ごとに料率9.84%にて、会社と個人で折半にて負担することになります。そのため、個人の負担は、月給の4.9%程度が目安です。
但し、標準報酬は58,000円~1,390,000円までの段階に分かれていますので、これを超える月額報酬の方は負担率は低くなります。
なお、40歳を超えますと、健康保険料に介護保険料1.8%(⇒会社と折半なので個人負担は約0.9%)が加わります。
※料率はいずれも令和3年度
<最新の健康保険料率>
令和3年度健康保険料:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/
出典:全国健康保険協会
雇用保険
雇用保険料も、健康保険と同様、月額報酬を基準に計算されますが、報酬額に関係なく一定料率にて計算されます。
一般の事業では、個人の負担が0.3%、会社の負担が0.6%となっています(つまり合計0.9%)。
※料率はいずれも令和3年度
<最新の雇用保険料率>
雇用保険:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html
出典:厚生労働省HP
児童手当の受領
日本では、16歳未満の児童については、税金の扶養控除対象とならない代わりに各地域から児童手当が支給される仕組みになっています。
基本的に児童1人につき10,000円/月ですが、年収約960万円を超えると、児童1人につき一律5,000円の支給となります。
今回のケースでは、年収1千万円、児童2人のため、月10,000円(5,000円×2人)×12か月=120,000円を受け取れるものとして、受領額として加味しました。
<児童手当について>
https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html
出典:内閣府
厚生年金
後述の台湾においては発生しないものがこちらの厚生年金です。
厚生年金も、社会保険料の一つされることがありますが、今回は台湾と比較するため、項目を分けています。
年金ということで、将来の支給が気になるところではありますが、会社に勤めている場合、給与から差し引かれるものになります。
厚生年金の支出は、健康保険や雇用保険と同様、月収によって毎月の納付額が異なります。
今回のケースでは、月収では84万円のため、厚生年金料率表より、標準月額報酬65万円以上の区分に該当します。
令和3年以降、標準月額報酬65万円以上は59,475円の個人負担となっています。
ちなみに65万円未満の場合、月額給与のおよそ9%が天引きされ納付することになります(今回のケースでは標準月額の上限65万を超えているので負担率が軽減されおよそ収入の7%となっています)。
<最新の厚生年金の料率>
計算基礎:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/ryogaku/ryogakuhyo/index.html
出典:日本年金機構
日本、台湾両国の健康保険・労働保険の制度比較
日本の健康保険制度及び労働保険制度は、世界でも充実していると言われます。
例えば、健康保険に加入していれば医療費が3割負担で済む、労働保険によって労災への対応や失業手当など、いろいろと恩恵があります。
台湾はどうでしょうか。
結論としては、台湾も健康保険制度(健保)、労働保険制度(労保)は、日本の制度に類似します。つまり、台湾においても、個人の医療費負担は限定的(一律150元といったところもあります)となっており、また、労働保険においても、労災、失業、老齢年金なども含まれているのが特徴です。
したがって、両国とも所得の金額に応じた等級ごとの掛金・支出額には多少差がありますが、保障される内容面は近しいと言えます。 こちらについては、また別の記事でも解説しようと思います。
日本の税金
まず、日本では、稼いだお金、つまり所得に対する税金が2種類あります。
国が徴収する所得税、そして各地方都市が徴収する住民税です。
それぞれ以下のように計算されます。
所得税
(通常所得税855,700円+復興特別所得税17,969円 ←100円未満切り捨て)
日本の所得税は、所得ごとに定められる税率(累進課税)から計算される通常の所得税と復興特別所得税からなります。
所得ごとに定められる税率は5%~45%となっています。
年収1千万円の場合、社会保険料や各種控除を加味すると、最終的に課税の対象となる所得より、税率23%が適用されることになるでしょう。
今回の通常の所得税の概算は、855,700円/年となりました。
また、復興特別所得税は、課税所得の2.1%が課税されます。今回の復興特別所得税の概算は、17,969円/年となりました。
なお、復興特別所得税は2037年までの制度となっています。
所得税・復興特別税は、最終的に100円未満端数処理して納税されます。端数処理をしますと、最終的に合計で873,600円となりました。給料額面からすると、およそ8.7%の負担となっています。
<利用した日本の所得税シミュレーション>
所得税の簡易シミュレーションはこちらを利用させてもらいました。
https://www.zeikin5.com/calc/
出典:Limitup Inc. 所得税・住民税簡易計算機より
住民税
(通常所得税623,000円+均等割額5,000円)
住民税は、住民票を登録している場所で課税される地方都市が徴収する税金です。
前年度の課税対象所得(給与総額から社会保険料等を控除した金額)から計算される部分と、所得に関係なく課される均等割り額にて計算されます。
前年度の課税所得から計算される金額は、税率は一律10%です。上記社会保険料等も踏まえて、計算の結果623,000円となりました。
また、均等割額は、今回のケースにて東京都中央区の場合だと、特別区民税3,500円、都民税1,500円、つまり合計5,000円/年が課されます。
住民税の金額は、最終的に合計で628,000円となりました。給与額面からすると、およそ6.2%の負担です。
<利用した日本の住民税シミュレーション>
計算根拠は、東京都中央区の税額シミュレーションを利用しました。https://www.city.chuo.lg.jp/smph/kurasi/zeikin/zyuminzei/simulation.html
※設定:給与10,200,000円、社会保険料1,233,972円、控除対象配偶者有、扶養2名
【台湾で給与1千万円(252万元)】手取り計算
概要
続いて台湾の手取り計算となります。
台湾/各項目 | 金額(元) | 比率 |
【額面】年収 | 2,520,000 | 100.0% |
-)健康保険料 | -135,504 | 5.4% |
-)労働保険料 | -11,544 | 0.5% |
-)所得税 | -183,800 | 7.3% |
給与から差し引かれる金額 | -330,848 | 13.1% |
【手取り】年収 | 2,189,152 | 86.9% |
まず、ご覧の通り、台湾は、日本よりも控除される項目が少ないです。健康保険、労働保険、所得税の3つのみとなります。
台湾の方が手取りが圧倒的に少なくなる理由は、この控除される項目の差にあります。
台湾の手取り計算の結果、年収に対しておよそ13%が差し引かれ、最終的に手元に残る手取り年収は額面の86.9%の219万元程度(約875万円)となりました。
詳細な日本と台湾の比較は後述しますが、まずは台湾にて、給料から控除される各項目の中身を見て行きましょう。
なお、今回の比較の数字に表れない差もあります。この点も後述します。
台湾の社会保険料(健康保険及び労働保険)
台湾の健康保険、労働保険も所得の金額に応じた等級が決まり、等級ごとに支出額が異なります。また、日本と同様、個人で負担する部分と会社が負担する部分がある他、政府で負担する部分もあります。
健康保険料
※円建て換算:年間542,016円(月額45,168円)
健康保険については、第一等級は月給25,250台湾元~であり本人負担(30%相当)は扶養3人の場合1,568元/月です。最上等級は月給182,000台湾元~であり、同じ条件で本人負担は11,292元/月です(以降、いくら所得が多くとも保険料は同じとなっています)。
今回のケースでは、健康保険は給料のおよそ5.4%の負担となりました。
<2022年(台湾民国111年)1月1日~の健康保険料>
https://www.nhi.gov.tw/Content_List.aspx?n=586FFDED734387EB
出典:衛生福利部中央健康保險署
労働保険(「勞保」)
※円建て換算:年間46,176円(月額3,848円)
労働保険は、就業保険と普通事故保険等が含まれます。2022年現在の料率は、就業保険が約1.5%、普通事故保険等が10.5%、それぞれ基準月給に乗じられ、負担割合は、個人20:会社70:政府10となっています(※業種や会社によっても異なります)。
第一等級は月給与25,250元~となっており、最上級は月給与43,901元~となっています。こちらも高所得であるほど、所得に対する負担割合が少ないものとなっています。
ちなみに、労働保険には、職業災害保険(日本でいう労災保険に類似)というものがあります。こちらは、2022年現在、月給与の0.2%となりますが、100%企業の負担割合となっています。つまり個人の支払いはありません。
今回のケースでは、労働保険の個人負担は給料のおよそ0.5%となっています。
<2022年(台湾民国111年)1月1日~労働保険料負担>
https://www.bli.gov.tw/0005478.html
出典:勞動部勞工保險局
台湾の年金制度
労働保険(「勞保」)の中には老齢年金や遺族年金等の制度があります。
つまり、この勞保の中に年金が含まれているわけです。
勞保に加入されていない場合は、自身で国民年金に加入するなどの対応を行うことになります。
ただし、台湾も少子高齢化が進んでいます。
実際に、退職後、受給資格を満たした後でも月に2万元(8万円)程度しかもらえない人もおり、生活がままならない…等、社会問題の一つになっています。
台湾の税金
台湾の個人に課される税金は、シンプルに国税である所得税のみとなっています。
つまり、地方税である住民税といった種類の税金はありません。
台湾の税金については、会社、個人、また株や不動産の投資をした場合や相続・贈与といったところまで、こちら「【誰でもわかる台湾の税金】わかりやすく把握【移住・ビジネスでは必須】」でわかりやすく解説されています。税金がよくわからない方でもわかりやすく台湾の税金の概要を押さえることができます。
ここでは個人所得税の概要と今回の計算結果を記載します。
※円建て換算:年間735,200円
台湾も所得の金額に応じた税率(=累進課税)が適用され、課税所得に対する税率は5%~40%となっています。多少内容は違えど、所得に対して各種免税額や控除額がある点は、日本と同様です。
<簡易税金計算根拠>
https://www.etax.nat.gov.tw/etwmain/etw158w/1502
出典:台湾財政部税務入口網
<設定>
- 在台居留天數(その年度の台湾滞在日数):365日
- 是否提前離境(台湾を離れたか):否(NO)
- 是否已結婚(結婚しているか):是(YES)
- 本人薪資收入(本人の給与収入):2,520,000
- 免稅額 未滿70歲:4人(←本人や配偶者を含む扶養家族)
- 他は空白⇒最下部「試算結果」をクリック⇒「應納稅額」に要納税額が表示されます
富裕層に厳しい傾向の日本⇔富裕層にやさしい傾向の台湾【顕著に表れる差】
- 個人所得税について、日本の最高税率は、課税所得40,000,000円以上に課される「45%」となっています。
- 他方で、台湾では諸種控除後の課税所得4,530,001元(約18,120,000円)以上に対する「40%」が最高税率となっています。
台湾では最高税率のバーが低く、先の通り、日本における住民税といった地方税がない点も含めて、高額所得者・富裕層にとっては、日本よりは優位となっています。 - ちなみに、台湾では2018年に大きな税制改正がありました。改正前は、10,310,001元(約41,240,000円)以上に45%の税率が課されていました。つまり、この改正によって、台湾の富裕層は大きな恩恵、つまり税金の軽減を受けるにいたりました。
政治的な背景もあったのか…と思いますが、いずれにしても台湾に住む個人にとって大きな減税があったのは間違いありません。 - さらに、相続税・贈与税(詳細はこちら)や、最近日本で話題の資産課税などを踏まえると、全体的に日本は富裕層から税金を取る傾向、他方で台湾は富裕層へ緩和の傾向がうかがえます。
- なお、台湾において、富裕層、高所得者が優遇されているのは、我々日本人を含む台湾における外国人でも同様です。外国特定専業人材、就業ゴールドカードといったもので、さらに大きく税金を軽減できます。詳細はこちらの記事「1,200万円~高所得者は台湾に超移住しやすい⁉ 外国特定専業人材・就業ゴールドカード【税金軽減】」です。台湾に移住する日本人を含む外国人にとっても、富裕層は相対的に暮らしやすいかもしれません。
【日本と台湾】年収1千万円の手取り比較まとめ
年収手取りの差……圧倒的…
以上、最終的にまとめますと差は以下の通りとなります。
その差、なんと1,292,180円(323,045台湾元)、つまり約130万円です…
🚩 日本:年収1千万円 ⇒ 手取り7,464,428円
🚩 台湾:年収1千万円 ⇒ 手取り8,756,608円
繰り返します、1,000万円のうち、その差「約130万円」です!13%を占めます!
年間130万円。10年間続けば1,300万円、30年間で3,900万円!
その差はとても大きなものです。
両者の差を見ますと、結局、社会保険料と所得税はほとんど変わらないことがわかります。他方で差となっているのが、日本における厚生年金の支払い、そしてプラスでかかる住民税となっています。
家計の足しにする、ちょっとしたぜいたくをする、年130万円あれば色々なことができます。
投資に回してさらに運用することもできます。
複利3%で運用したら30年後はいくらになるでしょうか…
💡 毎年130万円(月10.7万円)を複利3%で運用したらどうなるか…
日本の金融庁の投資シミュレーションサイトで試算してみました。
その結果…30年でなんと「6,235万円」となりました。
マンションを購入できるレベル…
手取りの差だけ、つまり何もしなくともこれだけの差が生じます。
国の制度、及びコツコツ積み立てることは本当に重要だなと感じます!
台湾と日本に関することは、これからもこのサイトで学べるようにしたいと思っています!一緒にがんばりましょう!
とはいっても、台湾の方が年収が低いのは事実…?
今回、給与年収の額面「1千万円」を前提に比較をしました。
しかし、1千万円を稼ぐハードルは両国で異なります。
日本の平均給与は31万円の一方、台湾では22万円程度と、両者には差があります。
そのため、平均から見れば台湾で1千万円を稼ぐことの方が難しいことが言えます。
但し、もう一つ見落としてはいけないポイントがあります。それは、同じ日本人だった場合にどうかということです。上記台湾の平均給与の大半は台湾人です。台湾人の給与と台湾における外国人の給与は大きな差があります。
台湾における日本人の平均給与の情報は、私の知りうる限り公開されていないですが、私の周りの情報によるとある程度の給与となっています。
日本人の台湾駐在員、台湾移住者の給与情報は、具体的な金額とともにこちら「【台湾おカネ事情!これが給与実態!】現地採用の狙い目!【日本人の年収は?】」にも記載しています。
なお、日本人が台湾で好条件の職業に就くにはコツがあります。それ故に、私の周りを含めても高い給与を得ているものと思います。そのあたりについては、こちらで解説していますので、参考になるはずです。
他にも比較にあたっては注意すべきコトがあります!
その他手取り、生活という点で、上記以外に考慮すべき点には以下のようなことが挙げられます。
日本では、40歳以上に介護保険の負担がある
日本では、40歳以上には介護保険料の負担が発生します。つまり将来の介護に備える、これも社会保障負担の一種です。
個人の負担としては月給の約0.8%が発生することになります。
※料率参考:全国健康保険協会HP
日本も台湾も、高齢化社会による不確実性がある
日本のみならず、台湾も高齢化社会に突入しています。
このため、今後の社会保障への個人の負担については、日本と台湾、共に不確実性及び懸念があると言えます。
台湾の少子高齢化を中心に記載した記事はこちら「【統計で未来を考えたい】日本同様の超少子高齢化社会に向かう台湾【日本人の生きる道】」が参考になるはずです。
手取りも大事ですが、その国での生活コスト・物価も大事
収入の手取りも大事ですが、生活するためには支出があります。
つまり、その国の物価水準も大事ということを忘れてはなりません。
日本の物価水準は世界でも低くなっており(失われた30年…長期の不景気を言われたりしますね…)、他方、台湾の物価は実際に上昇傾向となっています。
台湾の生活コストについて、一人暮らし、二人暮らし(DINKS)、四人暮らし(子供2人)とまとめた記事はこちら「【台湾の生活コスト】必見!1人、DINKs、子持ち家族を全て公開!」です。台湾(首都台北)の生活コストが丸わかりです。
台北三人暮らし(子1人)の実際のインタビュー記事「【台湾生活インタビュー】現地採用家庭の暮らし【Hさん・30代後半・台湾在住6年・年収1000万円】インタビュー」も参考になるかもしれません。
さらに押さえておかないといけない大事な税金「日本:消費税/台湾:営業税」!
さらに、生活コストを考えた場合に忘れてはならない税金が「消費税」です。
日本では、ここ数年にて、消費税率5%から8%へ、そしてさらに10%に引き上げられました。そして、今なお、日本の消費税は増税が検討されています。消費税は、生活に直接負担となるものです。富裕層から低所得層まで、生活するための消費に満遍なく課税されるのが消費税ということで、生活をする上で大きな負担となるものです。
他方、台湾では、日本の消費税に該当する「営業税」は税率5%が維持されています。
生活をして消費・支出をする上で、両国では自動的に5%もの差があることを忘れてはいけません。
なお、台湾の営業税は、これから日本でも始まるインボイス制度が採用されています。台湾では、このインボイスに「統一発票」というものが用いられます。
この統一発票には、例えば個人へ宝くじ機能を付与させるなど、画期的な仕組みがあります。
買い物をしただけで1等1,000万元(約4,200万円)も夢でない!でも、どうして宝くじ機能を持たせたか?とても深い制度です。以下の記事で勉強してみてください。
💡 画期的な台湾の統一発票制度やインボイス制度について知りたい>>>
「【統一発票?】台湾の税金管理がすごすぎる!【日本でも始まるインボイス制度の理解に】」
手取り/税金/社会保障、これからを踏まえて考えたい
単純に日本の手取りが少ないという話ではない!考えたい日本のコト
私は、きっとかなり日本が好きな方だと思います。
何言っているんだよ、台湾に移住しているくせに!と思われる方もいるでしょう。
しかし、私の考え方は、海外にいるからこそ、より日本のコトを考えることができる、海外にいるからこそ、直接日本人として日本の良さをアピールできる、もっと言えば、日本に貢献できると考えています。
日本の手取りは少ない…そして、ここ数十年でも徐々に減ってきた。残念ながらこれは事実であり顕著です。
そして、日本はこれから超高齢化社会となっていきます。
若者は老人の生活・介護負担のために働く、大きな社会問題は残念ながら日本の中では本質的解決が見いだせないまま進んでいるように見え、そのような時代が近づいています。日本の給料の手取りはもっと少なくなることは必然でしょう。
その中、日本国内で解決が難しいからこそ、私は、日本人が海外に出て、海外から日本をサポートする形があっても良いと思っています。
今こそ考えてみたい、海外移住
色々な理由がありますが、海外移住に興味を持つ方は増えていると思います。しかし、コロナ禍で海外渡航はかなり制限されており、頓挫している人も多いです。
しかし、だからこそチャンスと思います。今、海外に出ることが難しい環境だからこそ、本当に考えている人こそが海外で成功する素質があるのだと思います。
世界は広い、色々な国があります。では、自分に合った国はどこなのか?
自分の心の中に眠っていた最適な国は、こちらの記事「【海外移住先選びに絶対必要】おすすめは自分の中に【私はこうして台湾を選んだ】」で見つけることができるかもしれません。
この他、このサイトでは、海外移住、もちろん台湾移住含めた最初の一歩を応援しています。このサイトがきっかけで素敵な海外移住・台湾移住につながったら私は本望ですので。
日本でも世界のどこにいても押さえておくべき、とても大事なコト
今回は、「給料の手取り」、そして何が差し引かれるかというテーマで日本と台湾を比較するという内容でした。
台湾でも、そして日本はもっと…
こんなに差し引かれるなんて…
こんなに国や地方都市にお金を納めているなんて…
そう思った方も多いことでしょう。
ただし、ここからもう一つ大切な話をします。
今回は、シンプルに比較するため様々な条件をカットしています。
実際には、生活の状況や支出した費用等から納める税金や社会保険料を節減できる余地は多分にあります!
- ふるさと納税による一部還元・寄付金控除
- 医療費控除、保険料控除
- 台湾でも、列挙控除、特別控除
- 日本も台湾でも、法人設立による節税、個人事業主と法人の二本柱による節税
- 副業を取り入れた節税
サラリーマンであっても、合法的に節税や社会保険料の節減できる方法は多くあります。
今回の手取りについても数十万単位でさらに見直しが図れます。
ここで大切なコトは、自分の稼いだお金を自分で守る力を身に付けることです。
税金のこと、社会保険のこと、私が上に挙げた節減の例示、どれくらい知っていますでしょうか。
私も、日本にいた時から自分で確定申告をしていますが、合法的な節減方法は常に意識しています。
とは言いつつも、最初から全部自分で勉強するというのも大変なので、最初は税理士や会計士に相談して、現状を話して見直しプランを検討してもらうのが良いでしょう。
税理士・会計士探しなら / このサイトでもどんどん情報発信しています♪
税理士や会計士の知り合いがいないという方は、こちら「【税理士ドットコム】信頼できる税理士探し」で無料相談もあるので、最初は無料相談をうまく利用することも良いでしょう。
そして場合によっては本格的に見直しを行い、そして、最終的には自分である程度理解して自立できることが良いのではないかと思います(私も台湾人の会計士や日本の税理士に最新の方法を教えてもらいながら対応しています💡)。
もちろん、税金・社保の世界は少し複雑です。新しい法令もどんどん出てきます。税理士や会計士にお世話になり続けることも良いでしょう。毎年数十万円の見直しが図れるなら、税理士や会計士に対するコストも安いものです。私はそう考えます。
日本の税務、国際税務、税理士や会計士も専門領域がありますので、内容に合った信頼できる専門家を探すことが大事です!
もちろん、私も専門家として、未だに会計・税務の仕事もしています。このサイトでは日本人の台湾移住者に役立つ専門情報も無料で掲載していますので、お役立てください!!!
今回のまとめ
さて、【日本と台湾の給与手取り徹底比較】という内容をお届けました。
今回のまとめとなります。
日本と台湾の給料手取り比較/将来も踏まえた検討【まとめ】
- 同じ額面年収1千万円で比較すると、日本と台湾で約130万円の差がある
- 130万円!貯蓄・生活支出・投資など… 現金で年間約130万円の使い道は大きい。
- 差の主な要因は、主に日本の厚生年金と住民税の存在
- 社会保障制度の内容の差は一概には言えないが、日本に引けを取らぬほど、台湾の社会保険制度も相当程度充実している
- 但し、日本台湾どちらも少子高齢化社会であり、今後将来の社会保障負担については懸念はある
- 日本と台湾の平均給与の違いから、1千万円を獲得できるハードルは台湾の方が難しい
- しかしこれは、あくまで台湾人を含めた全部で見た平均給与であり、日本人という観点で見れば、台湾で1千万円以上の年収を獲得するケースも少なくない
- 海外移住によって、日本の外から日本を盛り上げることもできるはず
- コロナ禍だからこそ、今、海外移住の一歩を進める人は成功の素質があることが多い
- はじめの一歩を踏み出せるか、それが成功のカギ
- また、世界のどこにいても収入と支出をしっかり考えることが大事
- 収入なら、どうやってそもそも収入額面を増やすか、しっかり考えたい
- 支出なら、今回で言えば税金や社会保険料は減らせる術を学ぶことが大事
以上となります。
今回の記事で、日本と台湾の手取り及び差し引かれる金額について、そして、両国の未来について考えるきっかけになったら幸いです。
また、皆さんの海外移住・台湾移住の一歩につながったら、なお嬉しいです。
海外生活を謳歌しながら、日本の外から日本を一緒に盛り上げていきましょう!