台湾についてちゃんと説明できる?
台湾という場所
- 台湾は国なのか?
- 台湾は国連に加盟しているのか?
- オリンピックで出てくるチャイニーズタイペイは台湾?
そもそも、「国」とは何か説明すると難しいところがありますが、主権・領土・人民を要素とする国家の定義からすると、 一定の領土、そこに居住する人々、そして統治組織をもつ政治的共同体、組織、制度という解釈があります。
台湾には、一定の領土とそこに居住する人々がおり、また、コロナウィルスへの対策を見ての通り、総統率いる政治体制、そして自身の判断の下で政策を実行、さらに外交を実施しており、この点では国とみなせるかもしれません。
また、2021年に開催された東京オリンピックの開会式・閉会式では、表記上は台湾は「チャイニーズタイペイ」でしたが、台湾選手入場時、とある放送局では「台湾」とアナウンスしたことが大きな話題になりました。
この話も含めて、オリンピックに関連する中国語をこちらの記事「【東京オリンピックを中国語で!】台湾でも大盛り上がり【感動を再び】」でまとめていますので参考まで。
歴史的にも世界での位置づけが難しい台湾
「台湾」の立ち位置を難しくさせるのは、お隣「中国」大陸との問題があるからです。「一つの中国問題」や「一国二制度」という言葉が話題になりますが、台湾が中国なのか、台湾は台湾なのかは、政治的・歴史的にも意見が割れるところです。
台湾は台湾だという人も多いですが、正式名称として「中華民国」と表記されることも多いです。
台湾の歴史としては、大まかに以下の通りとなります。
~1624年 台湾半島で暮らしていた原住民の時代
1624年~1662年 オランダ及びスペインによる統治時代
1662年~1683年 鄭成功(ていせいこう)政権時代
明王朝からやってきた「鄭成功」により、オランダ人たちを駆逐。今でも英雄として語り継がれています。
1683年~1895年 「清」による統治時代
1895年~1945年 「日本」統治時代
日清戦争に勝った「日本」は台湾を領土として手に入れることになります。そうです。台湾は一時期、日本であったのです。
この時、日本政府によってインフラの整備、日本語教育の推進等が実施され、実際に台湾は都市としても発展を成し遂げていきます。
この時期、日本語教育を受けていた方がおり、そのご子息にも受け継がれたりしています。そのため、台湾では日本語を話せる方も多くいるのです。
- 1912年 時を同じくして中華民国の誕生
中国大陸では、辛亥革命によって、孫文を革命のリーダーとして清朝を打倒。1912年1月1日より「中華民国」が誕生します。
1949年~ 蒋介石率いる国民党政府が台湾上陸
日本敗戦によって、中華民国が再度実権を握り、台湾の領土では混乱が起きます。
さらに、中国大陸でも国共内戦が起きます。つまり、国民党と共産党の戦いがはじまるわけです。
この戦いに敗れた蒋介石ひきいる国民党は、1949年に台湾の領土に逃げてきます。以降、中国大陸は「中華人民共和国」として、台湾は「中華民国」政府が統治する時代となります。
この頃の台湾は、戒厳令が敷かれ、蒋介石、その子息の蒋経国による独裁的政治体制となります。
近現代~現在では 民主化及び民進党政権時代へ
台湾の民主化に貢献したのが李登輝です。「台湾民主化の父」と呼ばれます。1988年に台湾の総統に選ばれ、1996年には初の総統の直接総選挙が実施され、台湾の民主化がすすめられました。
なお、李登輝氏は、多くの人に惜しまれながら2020年にお亡くなりになります(台湾ではとても大きなニュースでした。こちらの記事「【台湾を知る】2021年3月 最近の3大ホットトピック 」も参考まで)。
2000年には民進党の陳水扁が総統になりますが、以降、国民党への政権交代も経て、2016年以降は再度現在の総統である蔡英文の民進党政権となっています。
さて、ざっと台湾の歴史を振り返りましたが、結局、どこの断片を切り取るかで、台湾は元々台湾だ、台湾は中国から来たものだろう、なら中国だ、今は政治的にも独立しているので中華民国か台湾かは別として一つの国だ、いろいろな意見と議論があるわけです。
これが台湾を複雑にさせるゆえんと思います。
実は日本とは正式な国交がない
1971年、国際連合アルバニア会議にて、中華人民共和国を中国の代表として認め、台湾は連常任理事国の座を失いました。ここには、台湾と中華人民共和国の覇権争いの歴史があり、それは今日にもつながっています。
さらにこの決議をもって、日本は中華人民共和国を中国の代表と認めざるを得なくなり、台湾とは断交することになっています。
したがって、以降、2021年現在もなお、日本と台湾との間には正式な外交がない状態です。
ただし、日台双方の民間の団体が手を取り合い取り決めを行うことで、正式な国交はないものの、人の往来、各種貿易、租税上の取り決め(いわゆる租税条約の内容)の締結等が行われています。
なお、台湾は2021年3月現在で、パラオなど、全部で15の国家のみと正式な国交を締結しています。
租税協約の締結も非常に限定されており、台湾における企業や個人について、他国との取引等において思わぬ税金が発生することもあります。
台湾の租税条約の状況を含めて、台湾の税金については、こちら「【誰でもわかる台湾の税金】わかりやすく把握【移住・ビジネスでは必須】」で概要を把握することができます。
旅行に行くにも知っておきたい台湾のキホン
さて、ここからは台湾移住や旅行で知っておくべき基本的概要を見てみましょう。
九州半島よりもやや小さい面積
人口分布は少子高齢化が深刻化しています。
そのため、テレビ番組では中国語の字幕がつくことが多く、電車やバスといった公共の交通機関でも一度に複数の言語がアナウンスされます。
4月から長ければ11月頃まで暑い日が続くこともあります。
12月から1・2月は台北では10度前後の気温になることもあり寒い時期もあります。冬の時期は特にですが、全体として雨は多いです。
NTD(NT$)やTWD(TW$)、または元のみで単位として表記されます。
2021年9月現在、1台湾元は3.95円程度です。
なお、国際主軸通貨ではないため、外貨送金に手間がかかることもあります。
今回の記事は、まずは、台湾に移住するにも、旅行するにも、最低限押さえておきたい台湾の概要でした。
台湾移住を本格的に考えたい方は是非こちらの記事もご参照ください!
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